格助词「から」
1. 主体を表す格
「から」は基本的には起点を表す格助詞であるが、ある動きの主体が、同時にその動きの起点としてもとらえられる場合に、動きの主体を表すことがある。
「から」が主体の意味を担うのは、提供・伝達行為の起点となる場合がである。「渡す」「送る」「配る」等の提供行為や、「伝える」「報告する」「知らせる」「連絡する」等の伝達行為を表す動詞では、物や情報のやりとりの起点としての主体を「から」で表すことができる。
「から」が主体を表す場合には人称が関わってくる。平叙文では、1人称者(話し手)が主体になるのが一般的である。
2. 起点を表す格
「から」は、起点を表す最も基本的な格助詞である。「から」の起点としての意味には、移動の起点、方向の起点、範囲の始点、変化前の状態がある。
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2.1移動の起点
移動の起点とは、事物がある位置から別の位置へと移動するとき、移動前に存在する場所である。移動には具体的な移動と抽象的な移動がある。
述語が「来る」「出る」「届く」「落ちる」等の市変化を表す自動詞の場合、「から」は主体の移動の起点を表す。
「音」「におい」「光」に関わる動詞が方向性を含意することがある。これらも「から」で起点を表すことができる。
述語が「出す」「もらう」「預かる」などの対象移動を表す他動詞の場合、「から」は対象の移動の起点を表す。
「教わる」「習う」「聞く」など、知識・情報を移動するととらえられる動詞の場合、「から」はその知識・情報の出どころを表す。
移動を伴わない動作であっても、受身と似た意味をもつ定型的な表現では、その動作を行った人物が「から」で起点とした表示される。
「話す」「伝える」のような伝達動詞では、起点的な意味をもつ「から」が主体を表す場合がある。
3. 起因・根拠を表す格
「から」は起点を表す格助詞であるが、出来事や思考活動の起点を原因や根拠としてとらえられる場合には、起因的な意味を持つ。「から」の起因・根拠としての意味には、出来事の原因と判断の根拠がある。
3.1出来事の原因
一連の出来事の発端となる事柄に「から」がついて、その出来事の原因を表すことがある。一連の実態の発端とは言えない原因は、「から」を用いて表すことはできない。
3.2判断の根拠
「想像する」「察する」「考える」「思う」等の動詞を述語とする場合、「から」は判断の根拠を表す。