2022考研二外日语常考文学作品冒头文
いまは昔(むかし)、竹取の翁(おきな)といふもの有りけり。野山に①まじりて、竹を取りつつ、②よろづのことに使ひけり。
―『竹取物語』
現代語訳:今ではもう昔のお話ですが、竹取の翁と呼ばれるお爺さんがいました。野や山に分け入って竹を取りながら、色々な事に竹を使っていました。
中国語訳:很久很久以前有一位伐竹的老翁。他经常到山中伐竹,并用竹子制成各种用品。
解説:
① まじり(四段動詞「まじる」の連用形)
「分け入る」「入り込む」という意味
② よろづ(万)
数量や種類が多いこと、いろいろ。
『竹取物語』名詞解釈:
平安時代の物語。最初の物語で、「物語の祖」と言われる。作者未詳。古くは『かぐや姫の物語』『竹取翁物語』などと呼ばれた。かぐや姫が主人公。かぐや姫の生い立ち、五人の貴公子と帝の求婚、かぐや姫の昇天の三部分からなる。
古い伝承に取材し、中国の昔話『斑竹姑娘』など似ている。伝奇的、浪漫的であるが、風刺を交えて貴族社会の現実を写実的に表現している。