2022考研日语二外常考文学作品冒头文之二
男も①すなる日記といふものを、女もして②みむとて、③するなり。
―『土佐日記』(紀貫之)
現代語訳:男が書くと聞く日記というものを、女の私もしてみようと思って書くのである。
中国語訳:据说日记是由男性来写的,身为女性的我,也想试着来写一下。
解説:
① すなる(するという)
サ行変格活用の終止形「す」+伝聞の助動詞「なり」の連体形。終止形につく「なり」は伝聞の意味となる。
② みむ(みよう)
み:マ行上一段活用「みる」の未然形
む:意志の助動詞「む」の終止形
③ するなり(するのである・するのだ)
サ行変格活用の連体形「する」+断定の助動詞「なり」の終止形。連体形につく「なり」は断定の意味となる。
『土佐日記』名詞解釈:
平安時代前期の日記文学であり、仮名文字の先駆的作品である。『土佐日記』は紀貫之が土佐守の任期を終えて帰京したときの旅日記として書かれた。
その中、作者を女性に仮託して仮名書きで記したものである。土佐で失った娘への悲しみ、船中の焦燥、海賊の恐怖、途中の珍しい風景、帰京したときの喜びなど感情的に述べられている。