不安も成功への道
「長所は短所の裏返し」という言葉を初めて聞く(→聞いた)時、そんなわけがないだろうと思った。しかし、ゆっくり考えてみれば、友達から褒めてくれた私の長所は実は自分が苦しんでいた短所だった。これはいつ(から)このようになったのだろうか。
小さい頃から、様々なことに不安を感じている。翌日用事があったら、早々準備せずにはいられない。準備が終わったとしても、何か忘れものがあるかないかチェックを繰り返す。もし来月テストがあったら、今から勉強しなければならないと、テストが始まるまで心配が絶えない。しかも、いい点数を取ることは心配を止めることができないどころか、心の不安を一層膨らませることになる。もし次のテストでこのような点数が取れなかったらどうしようと、今以上の努力を払う分、今以上の不安を抱える。今まで大きな失敗にあったことがないが、不安がいつまでも心の中にある。「杞人之憂」という言葉はまさに自分のことを指すではないかと思う(。)
しかし、友達はそういう私を羨んでいるようだ。「いつも余裕がありそうだ」と言われた。理由を聞くと、「いつも準備できている様子」が挙げられた。認めたくないが、自分は確か(に)果てない準備の中で生きているのだ。失敗への不安が強いからこそ、成功が見えるまでおさらい(し)、リハーサルを繰り返すのだ。不安を揉み消すのは、投げ出す(こと)ではなく、自分を安心させるまで続ける準備だ。
「備えあれば患いなし」という言葉があるが、その「備え」の原動力は不安そのものではないかと考える。